訪日旅行満足度からインバウンド施策を考える

中華圏3地域(中国・台湾・香港)及び韓国の訪日客の満足度を調査しました。ここからどのようにインバウンド施策を企画していくかを考えていきます。

まずは、訪日旅行についての満足度調査です。

出典:2017年4-6月期訪日外国人消費動向調査(観光庁) を(株)クレスタムジャパンが加工し点数化

これは観光庁が行っている消費動向調査のうち、「訪日旅行全体の満足度」の設問で、“大変満足”から“大変不満”までの7段階の回答にして、大変満足を6点、大変不満を0点として、弊社がデータ加工したものです。満点なら6点となります。満足度が一番高いのは台湾で5.48点、次いで香港5.38点、中国5.36点、韓国5.10点となっています。

次いで、再訪日の意向調査です。

出典:2017年4-6月期訪日外国人消費動向調査(観光庁) を(株)クレスタムジャパンが加工し点数化

これは観光庁が行っている消費動向調査のうち、「日本再訪意向」の設問で、“必ず来たい”から“絶対来たくない”までの7段階を同様に点数化したもので、満点は6点です。
こちらも満足度と同様の順位で、再訪意向が一番高いのは台湾で5.70点、次いで香港5.60点、中国5.52点、韓国5.21点です。

この点数について、消費者のなびいてくれやすさを表しているものと弊社では解釈しています。言い方を代えれば、あの手この手のマーケティング施策の結果の出やすさを表しているということです。店舗で言うならば買上率の高さです。インバウンド施策でどの地域を対象にしていくか(ターゲット設定)について、ひとつのヒントを与えてくれているデータだと思います。

それではなびいてくれやすい台湾や香港をターゲットにすればいいのかというと、それだけでは少し短絡的かもしれません。訪日中の消費額という観点も加える必要があります。客単価ですね。買上率が悪くても客単価が高いなら、多少の買上率の違いはカバーできます。売上額は客単価×客数(客数は入店客×買上率)なので、これを総合的に判断して地域別に考えていきます。客数を新規客+リピート客と分解して考えることもいいでしょう。重要なのは、地域別に細かく企画していき、現実的にはリソースを勘案しながら、マーケティング施策を実施していくことです。なお、上記の調査は観光庁による全体の調査となるため、自社では一体どうなっているのか、同様の設問でリサーチし把握していくことは、やみくもな施策防止のためにもいいと思います。

また、満足度でも再訪意向でも、いまそこにいる訪日客が、日本を気に入ったのかについては、SNS投稿や帰国後の周辺への口コミ、リピート訪日などに繋がってくる重要な要素です。そこにいるひとりの訪日客がまたリピートしてくれることは最も理想ですが、周りに広めてくれることで周りの人が訪日してくれる、これもまた大きな意義があります。インバウンド施策といえば、広告やインフルエンサー(KOL)プロモーション、映像コンテンツ制作などの、認知拡大や興味喚起によっている現状といえます。この分野は一般的に宣伝予算が大きく取られ、現地消費者に刺さるコンテンツと自画自賛コンテンツとの間でミスマッチが起きやすく、本当に実際に行動してもらうための難易度が高い分野です。

新規顧客の獲得は既存顧客の5倍のマーケティングコストが必要というように言われていますが、インバウンドにおいても同様です。すでに一定の認知度や実際に訪日客が訪れているのであれば、まずは満足度向上に目を向け、そこにいる訪日客がどうしたら喜んでくれるのかを追及していくことが、もっとも効率が高いプロモーションです。訪日客との接点、つまり現場重視の姿勢を忘れないようにしたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA