可処分所得と訪日支出額から見る地域別施策

中華圏3地域(中国、台湾、香港)と韓国の可処分所得、及び訪日中の支出額を調査してみました。ここからインバウンド施策のうえでの地域別施策を考えていきます。

まずは可処分所得の資料です。

出典:JNTO訪日旅行データハンドブック(2016年)

可処分所得は、香港の高さが目立ちます。第三次産業のGDP構成比が9割以上、都市型ライフスタイルの香港なので、消費力はもっとも有望です。また中国の低さも目立ちますが、人口の多さから考えると、富裕層はもちろん、中間層の膨らみにも着目ですね。台湾と韓国はカーブが似ていて、相対的に低め山があり、そこから徐々に上に向かってゆるやかなカーブです。余談ですが、日本の可処分所得が特別に高いという印象はもう完全に過去のことですね。

引き続き、訪日中の1人当たり支出額で、上記と同じ2016年の資料です。

出典: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」に基づき日本政府観光局(JNTO)が作成したものを(株)クレスタムジャパンが加工

こちらの単位は日本円で、2016年のデータです。2015年の流行語大賞が「爆買い」なので、その翌年ということになります。2016年は、中国では個人輸入の行郵税の改正を行った年で、また為替も2015年に比べれば円高傾向だったので、円ベースでの一人当たりという観点では、支出額が前年より減少した年になります。

支出額は、中国は23.2万円、香港16万円、台湾12.6万円、韓国7万円という順になりました。この支出額と前述の可処分所得、さらにほかの要素も加えながら、地域別施策を考えていきます。

可処分所得では一見消費力があまり高くなさそうな中国が、事象としてはすでに明白なのですが、最も多いという結果です。このことからも、統計データを使うときは注意が必要で、また実態把握にはターゲットとする層の個別の調査データを見ていく必要がありそう、ということがわかります。高騰している中国本土の媒体費やKOLのギャラ、という状況下でもあるので、より細かいセグメントで効率よくプロモーションを行いたいものです。香港は、可処分所得も支出額も多く、また経験則では媒体費がそんなに高くないという印象もあり、メディアとの取り組みがしやすく、ターゲットの地域としては安定している印象を受けます。台湾は、支出額はそう多くはないですが、訪日満足度が高い・リピートが多いというデータがあり、1回あたりの支出額よりも、複数回での支出額や高い満足度を背景にした口コミ伝播(台湾外の他中華圏含む)を重視する戦略を取りたいところです。韓国の相対的に少ない支出額は、3日以内という短い滞在期間の割合が多く、伴って支出額が小さいため、訪日中行動の優先順位を高く位置付けてもらうための施策をしたいところです。

インバウンドにおいては、海外のすべてから来ていただけるに越したことはありませんが、ここにかけるリソースや予算は有限ですし、施策の効果を出していくためには、地域別にきめ細かく考え、そして優先順位を付けていくことが必要です。上記の基本的考え方に、マーケティング活動による振り向いてくれやすさなども考慮しながら、地に足をつけた施策を行っていきたいものです。

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