[2018年上半期] 訪日客数は依然好調、個別の市場特性は?

日本政府観光局(JNTO)より、2018年上期の訪日外国人数が発表されています。上期累計で1590万人、中国は依然伸びが大きく、ここにきて欧米豪への注目が集まっています。

訪日外国人数、2018年6月は15%増の270万人、1月からの上半期累計は1590万人に ―日本政府観光局(速報) – トラベルボイス

さて、その欧米豪は、確かに伸びているとはいえ絶対数は多くはありません。どれくらい多くないかというと、欧米豪の上位3か国、米国・豪州・英国の合計で、香港の110%程度。その香港はどれくらいの規模かというと、中国本土の27%、台湾の44%という具合です(それぞれ2018年上半期累計の訪日客数)。圧倒的に多いのは中華圏で、最大の中国と競っているのが韓国です。

出典:日本政府観光局(JNTO)プレスリリース
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/180718_monthly.pdf

なお、観光庁の全体方針の中では、個別の市場特性を踏まえてターゲット別に課題・対応策を定めるとしていて、アジアと欧米豪で明確に分けた施策を考えています。

2018~2020年度 訪日プロモーション全体方針 – 観光庁

それでは、その個別の市場特性をどのように考えていけばいいでしょうか?

欧米豪からの訪日は、長時間をかけて日本に来ることから、バカンスモードであると考えることが出発点になるかと思います。日本は長引くデフレに加え、ここ5年くらいは為替も円安方向のため、円換算での可処分所得は、遠くまでバカンスに行ける層であることも加えると、相当持っている層だと思っても差し支えないでしょう。そのため、価格設定は大胆でいいですし、それよりもその価格に見合うサービスを提供することが重点になるでしょう。

アジアについては、ここでは細分化して、飛行機で3時間程度とそれ以上、つまり中華圏+韓国とASEAN諸国と分けるのが適当と思います。

ASEAN諸国からは、5~6時間程度もしくはそれ以上の時間を飛んでの訪日となります。中間層が増えている地域のひとつで、体感的にも最近増えているという声をよく聞く地域ではありますが、この地域からの訪日客への特別な対応はまだまだみられることが少ないです。英語が堪能な華人が多く含まれる中で、イスラム教への配慮が必要であったり、マレー系などの東南アジア系もあり、多様化がみられています。

一方、近隣諸国中華圏+韓国からの訪日は、特に香港や台湾などの領域がそう大きくない地域からの訪日は、より国内旅行の感覚に近く、商業施設にとっては常時計算できる売上になっていくことが当たり前になっていくでしょう。都心の商業施設であれば、休日に郊外から数時間かけて買い物に来ているお客様と大差なく位置付けられます。より日常的に訪日客向けの販促や囲い込み施策を打っていくことが肝要と思われます。このような感覚をもって近隣諸国に対しては考えていきたいものです。

やはり、各地域によって特性やニーズは大きく違うため、ターゲット別に課題や施策を細分化していくことは、正直面倒ではありますが、必要なことなのでしょう。その際、すべてを百花繚乱にこなしていくことは、観光庁の視点ではそうなると思います。

それでは商業施設ではどうなのか?最近いろんな国籍の来館が増えているのはそうだと思います。それでも、限りあるリソースの中で、すべての地域を対象とできる最大公約数的な施策はそう多くありません。売上・利益の最大化が使命である以上、優先順位を付けて、着実に一歩進んでいくという取り組みの方が向いているでしょう。その一歩進んだ成果は、社内に蓄積されるノウハウなので、複利的な効果を今後も見込んでいくことができます。戦略としてはこうではないでしょうか?

優先順位の決め方については、またの機会に書きたいと思います。

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