訪日客の口コミマーケティング

口コミは、次のお客様を連れてきてくれるプロモーションの手段になりますし、その口コミを分析していくことはお客様の声を聴くことができるリサーチの手段にもなる、低コストで取り組めるインバウンド施策であることは、ここで言わずともご存知かと思います。

中国人の生活に密着している口コミサイト「大衆点評」を調べてみますと、東京では銀座三越が872件、一風堂銀座店は979件、大阪では心斎橋大丸は776件、ラーメン一蘭道頓堀店に至っては5,194件と、実に多くの口コミが投稿されています。中国から見れば日本は海外のハズですが、まるで近所にあるお店かのような状態ですね。それぐらい簡単に行ける場所になったことなのでしょうか。

さて、訪日客に限らず、口コミが起こるかどうかは、3つの要素が必要といわれています。それは何なのか、考えていきたいと思います。

1) 口コミしやすいコンテンツの有無

何らか話したくなる出来事があって、初めて口コミが起こります。商業施設であれば、商業施設の特徴を活かして、意識的にコンテンツ化を促すことが必要です。店頭での良質な買い物体験がコンテンツであればそれを延ばすことが必要ですし、品揃えに特徴があるのであればそれもしかりです。

カラーを出していくことは、特別に訪日客に向けた施策でもなく、根源的で普遍的な課題ですよね。誠実な店舗運営により、ステマではないまっとうな口コミ誘発が可能になります。

2) 口コミしやすい環境の有無

開業間もない商業施設の場合、口コミサイト上にスポット登録がされていないことがあったり、スポット登録されているものの館名がカタカナ表記で訪日客が理解できないことがあったりなど、訪日客が口コミしようと思ってもその状態にない、ということがあります。これは口コミのボトルネックとなってしまい、ボトルネックは解消する以外の選択肢はありません。

また、思わず口コミしたくしたくなる仕掛けを作ること、これも環境作りの一環ですね。例えば、店頭でのキャンペーンを“コト化”していき、訪日客のテンションを上げていくことも、口コミ投稿がしたくなる環境作りといえますね。“コト化”はよく言われるキーワードですが、おおよそ中国人スタッフはいないであろう場所であればあるほど、店頭キャンペーンの事務局に中国語を話せるスタッフを置くだけでも、それは達成できるかもしれません。言葉が通じるって思っている以上にホッとするものです。

3) 期待値調整

訪問前の訪日客の期待が実力以上に高まりすぎていると、実際に訪問してガッカリしてしまい、ネガティブの口コミが起こる原因となります(世界三大ガッカリスポットのマーライオンくらいに、振り切ってしまえばネタになるかもしれませんが、、、)。プロモーションの実践においては、背伸びした打ち出しをすることはよくあります。最近流行の動画プロモーションなどでは特にあり得てしまうかもしれません。

最終的にどのような気持ちになるかは訪日客次第です。呼び込むことだけに目が向いているインバウンドプロモーションは要注意です。外部でのプロモーションで期待を高めることは、広告宣伝の担当者にとっては使命なので仕方ないとしても、最も重要なのは店頭だということを忘れずに、店頭は仮にミッション外だったとしても、統一的な行動をしていきたいものです。これは、訪日客の気持ちになってカスタマージャーニーをデザインすること、お客様の立場で物事を考えていくことです。これが、結局は訪日客の満足度向上につながり、口コミやリピートに繋がるということを意識することが必要です。

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このように考えていくと、まぁ当たり前ですよねとなるのですが、この当たり前をコントロールしていくことの難しさが実際の現場にはあるのではないでしょうか。それでも、当たり前をコントロールして、しっかり訪日客に向き合っていくこと、そして向き合っていくことを積み重ねていくこと、これが訪日客に口コミしてもらうための重要な条件かもしれません。

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